彼女のふわほろハンバーグ
最近感動した食べ物…
それが彼女がふと作ってくれた、
「ふわほろハンバーグ」
最近会えていなく、次の日の予定などあまり気にせず会いに行ったある金曜日の夜、
玄関を開けると、仕事終わりで疲れてるはずの彼女が、肉まみれの手を軽く振りながら
「おかえり」と言っていた。
目の前には大きさの異なるハンバーグが美味しそうな音と匂いと共に焼かれていた。
手洗いうがいを済ませ、机の上を片付け、食べる準備を終えると、
真っ白なお皿の上に、蒸したにんじん、じゃがいもと一緒に、ほんのり酸味の効いたソースがかかったハンバーグが盛り付けられていた。ぱんぱんに膨れたハンバーグからは肉汁が垂れ流れ、合挽肉や玉ねぎ、きのこの美味しそうな匂いが食欲をそそった。
美味しそう…と彼女を見ると、
「美味しいの、早く食べよ」と自信満々な笑顔で言ってきた。
「いただきます」と声を合わせ言った後、ハンバーグに箸を入れた。ハンバーグの表面が軽く沈みはち切れ、中から肉汁が溢れ出た。箸でつまみ上げると、お豆腐のようにやわらかく崩れ落ちそうになる。そっと口に運び食べてみると、想像より遥かに肉肉しく、噛むごとに肉汁と旨味が滲み出てきた。玉ねぎの甘味ときのこの香り、それぞれの食感、赤ワインベースの甘酸っぱいソースがまた食欲をそそる。
こんなハンバーグ食べたことない…!
そんな顔で彼女を見ると、小さく前後に揺れている。何を入れたのか聞くと、他に「お豆腐とお麩が入ってる」らしい。お豆腐がこのふわふわ感を、お麩が肉汁を吸いジューシーさを生み出してるとのこと。極めつきは焼くのではなく「蒸し焼き」にすることで、ふっくらに仕上がるらしい。フライパンで焼く時に、野菜たちを下に敷き少し水を入れ、その上でハンバーグを蒸し焼きにする。そんな手間を経て、ふっくらジューシーなのにヘルシーなハンバーグが出来上がる。素直にすごいと思った。お腹だけでなく心もいっぱいになる、そんな贅沢な思い出となる晩ご飯だった。
今こうして、文字に起こして書いていて初めて思うことがある。ただ頭で思い出すのとは違い、より鮮明に感情までも蘇ってくる。改めて今思い返すことで、その時起こったことが一歩引いて広く細かく見返せている。とてもすごいことが起こったんだなと。
こうやって日々の食事を記録していけたらなと思います。ここで1番後悔しているのが…写真撮り忘れました……
また作ってもらえるようおねだりしてみます。
食に感謝、ごちそうさまでした。